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対処すべき課題

当社グループは、2024年6月期において、化粧品事業の大幅な減収や健康補助食品事業の収益率の低下を主要因として、経常損失を計上し、厳しい経営環境となりました。

この状況に対し、当社グループは、2025年6月期を「構造改革」の連結会計年度として位置づけ、新経営体制のもと、将来の持続的成長に向けた研究開発や新サービス構築などの先行投資を積極的に実施しながら、グループ全体の収益性改善に取り組んでまいりました。根幹たる「エビデンス」を様々な領域で構築、活用することにより、人々の健康で安全な暮らしを実現し、医療費の抑制や生活快適性の向上等に貢献することに立ち返り、これまでの医療界・医学界との幅広いネットワークを活かし、抗疲労事業やフェムテック事業の領域への事業展開に向けて研究開発に注力する方針として、資本業務提携や共同開発などの取組みや新たなバイオマーカーやラクトフェリンの更なる活用に向けた研究開発等を行うとともに、化粧品事業及び健康補助食品事業における販売促進・広告宣伝の費用対効果の向上や当社グループ全体の収益性改善に取り組んでまいりました。

構造改革は着実に進展しており、その成果として複数の事業で営業利益黒字化を達成しました。あわせて、連結業績における営業損失も大幅に縮小しており、収益性の改善は確実に進んでおります。当社グループは今後、「選択と集中」を方針として、構造改革の継続とともに医療DXを中心としたヘルスケア事業領域への経営資源の集中を図ってまいります。

(1) 研究開発投資

当社グループの原点である「医科学の研究成果を事業化し、人々の健康で安全な生活の実現に寄与する」という経営理念に立ち返り、これまでも取り組んでまいりました疲労プロジェクトを基礎とした抗疲労領域及び機能性素材開発事業におけるフェムテック領域において更なる研究開発投資が重要と考えております。こうした研究開発投資によって、新たな製品の開発を進めてまいります。

これらの研究開発においては、大学の研究成果の導入が不可欠であり、大学との関係性の維持・強化が重要であります。従来からの大学及び大学研究者との良好な関係の継続、大学における研究成果を導入した事業展開を行ってきた実績に基づく精力的な大学への働きかけを継続して実施してまいります。

(2) 総合ヘルスケアプラットフォームの構築

当社グループは、医療DXを中心とした「いつでも、どこでも、自分に合った医療と健康サポートを受けられる総合ヘルスケアプラットフォーム」の構築を進める方針であります。当該プラットフォームの構築に際しては、データセキュリティとサイバーセキュリティの確保、エビデンスに基づくアルゴリズム設計、プライバシー保護、薬機法等の医療関連法令や規制への適合のみならず、十分な倫理的配慮も必要であり、法令遵守を徹底してまいります。

(3) 知的財産権への対応

当社グループでは、研究開発の成果として生ずる成分や製品等について、大学研究者等との共同又は当社グループ単独にて特許権その他の知的財産権を取得することにより、その権利の確保を図っております。また、当社グループの事業に必要な大学研究成果が当社グループ以外で利用されることを防ぐため、当該研究成果について、一定の対価を支払う代わりにその特許を受ける権利の一部を譲り受け、発明者と当社の共同で特許を出願することも行っております。また、国内外ともに、当社グループが有する独自性の高い製品の模倣品による被害を防ぐため、商標登録、意匠登録等を適切に行い、権利保全を図る必要があります。

以上のようなことから、当社グループは、引き続き知的財産権を戦略的に取得又は活用してまいります。

(4) 人材戦略及び組織体制の最適化

当社グループは、「選択と集中」を方針として、構造改革の継続とともに医療DXを中心としたヘルスケア事業領域への経営資源の集中を図るために事業ポートフォリオの見直しを実施します。事業ポートフォリオの再構築は、医療DXを中心としたヘルスケア事業領域への集中に加えて、中国市場に大きく依存した化粧品事業を縮小し、また、既存の健康補助食品事業をセルフメディケーション支援通販事業として強化を図るなど大幅な変更となります。事業ポートフォリオの再構築のタイミングにおいて、人的資源の最適化を図り、効率的な事業運営体制を構築するとともに、グループ全体として大きな転換期を迎える中、既存の各社員のライフプランにおける新たなキャリアの支援の一環として希望退職制度を実施し、人的資源の最適化を図り、効率的な事業運営体制を構築してまいります。

(5) 医療機関ネットワークの拡充及び整備

当社グループでは、特定保健指導の受託等におきまして、医療機関とのネットワークを重要な事業基盤としております。

当社グループでは、医療機関ネットワークのさらなる拡充に加え、構築した医療機関ネットワークを効率的に運用するためのインフラの整備も進めてまいります。

(6) M&A・業務提携の推進

当社グループは、医療DXを中心としたヘルスケア事業領域における積極的なM&Aでの買収による事業拡大、総合ヘルスケアプラットフォームにおけるコンテンツの充実のための業務提携の推進を方針としており、シナジーを生み出す候補企業又は候補事業のリサーチ、リストアップを迅速に実施する体制を構築し、対象となる企業又は事業に適切なアプローチを行うことで、M&A・業務提携を推進してまいります。