株主・投資家の皆様へ
Investor Relations
対処すべき課題
当連結会計年度において、化粧品事業が大幅な減収となったことや健康補助食品事業の収益率の低下を主要因として、経常損失を計上しており、厳しい事業環境となっております。
こうした状況を踏まえ、当社グループは、根幹たる「エビデンス」を様々な領域で構築、活用することにより、人々の健康で安全な暮らしを実現し、医療費の抑制や生活快適性の向上等に貢献することに立ち返り、これまでの医療界・医学会との幅広いネットワークを活かし、抗疲労事業やフェムテック事業の領域への事業展開に向けて研究開発に注力する方針とし、2025年6月期を当社グループの原点回帰及び事業再構築の連結会計年度とすべく取り組んでまいります。
(1) 研究開発投資
当社グループの原点である「医科学の研究成果を事業化し、人々の健康で安全な生活の実現に寄与する」という経営理念に立ち返り、これまでも取り組んでまいりました疲労プロジェクトを基礎とした抗疲労領域及び機能性素材開発事業におけるフェムテック領域において更なる研究開発投資が重要と考えております。こうした研究開発投資によって、新たな製品の開発を進めてまいります。
これらの研究開発においては、大学の研究成果の導入が不可欠であり、大学との関係性の維持・強化が重要であります。従来からの大学及び大学研究者との良好な関係の継続、大学における研究成果を導入した事業展開を行ってきた実績に基づく精力的な大学への働きかけを継続して実施してまいります。
(2) 経営資源の適切な配分
当社グループは、生体評価システム事業、ヘルスケアサポート事業、化粧品事業、健康補助食品事業及び機能性素材開発事業という多岐にわたる事業を展開しており、これらの事業は各子会社が運営をしております。子会社間のグループとしての効率的な組織運営とスリム化が課題であると考えており、事業所の集約などのコスト管理の厳格化を図り、経営資源をグループ内において適切に配分することに取り組んでまいります。
(3) 知的財産権への対応
当社グループでは、研究開発の成果として生ずる成分や製品等について、大学研究者等との共同又は当社グループ単独にて特許権その他の知的財産権を取得することにより、その権利の確保を図っております。また、当社グループの事業に必要な大学研究成果が当社グループ以外で利用されることを防ぐため、当該研究成果について、一定の対価を支払う代わりにその特許を受ける権利の一部を譲り受け、発明者と当社の共同で特許を出願することも行っております。また、国内外ともに、当社グループが有する独自性の高い製品の模倣品による被害を防ぐため、商標登録、意匠登録等を適切に行い、権利保全を図る必要があります。
以上のようなことから、当社グループは、引き続き知的財産権を戦略的に取得又は活用してまいります。
(4) 人材の確保及び組織的対応の強化
当社グループの事業におきましては、医学、薬学等の分野での専門性の高い人材の確保が不可欠であり、また、事業の多様化や拡大に対応してマーケティング、国内外営業、国際業務、内部管理等の幅広い人材を充実させる必要があります。当社グループでは、今後とも積極的に優秀な人材の採用等を進め、かつ適切なインセンティブの付与等により、社員の意識向上と組織の活性化を図るとともに、優秀な人材の定着を図る方針であります。
(5) 医療機関ネットワークの拡充及び整備
当社グループでは、特定保健指導の受託等におきまして、医療機関とのネットワークを重要な事業基盤としております。
当社グループでは、医療機関ネットワークのさらなる拡充に加え、構築した医療機関ネットワークを効率的に運用するためのインフラの整備も進めてまいります。